エスケープR3 オーバーホール⑧ リアディレイラー調整

自転車本体にチェーンとホイールが装着され、まだワイヤーが張られていない状態の時に、リアディレイラーの調整を行っておきましょう。

 

理屈さえ覚えてしまえば非常に簡単ですし、変速もスムーズに決まって気持ちよく走行ができますので、オーバーホールの時だけではなく、変速が不調になって来たら定期的に行いたい作業です。

 

1.ディレイラーの仕組み

 ディレイラーは日本語で「脱線機」という意味です。文字通り、スプロケット上を脱線させて変速を行う機械なのです。リアディレイラーにはバネが付いており、ワイヤーを引っ張ることによって、バネが伸びロー側(大きなギア=軽いギア)に変更していく仕組みですから、現在、ワイヤーを張ってない状態というのは、リアディレイラーはトップ側(小さいギア=重いギア)側にいるはずです。ここが基本のポジションになり、ハンドルについているシフターでギアを上げていくと、どんどんとワイヤーが張られロー側(内側)へ入って行きます。

 

2.事前準備

 一旦リアホイールを外し、スプロケットからリアディレイラーを分離して取り付け直します。

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チェーンがかかっている状況ですと、正確な調整がしづらい(特に私の様な初心者は微妙な違いが分かりにくい)です。この様に分離する事によって、非常に作業がしやすくなりますので、まずはこの様に取り付けましょう。

 

 

2.トップの位置を決める

 先ほども申し上げました通り、ワイヤーを張っていない状態というのは、リアディレイラーの一番自然な形(基本の形)であります。

この状態の時にスプロケットのトップに来るように調整をします。

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スプロケットトップギアと、ディレイラーのプーリーを一直線にあわせるのが基本ですが、シマノさんのディーラーズマニュアルを見てみると、トップ側だけは、やや外になるように調整して下さいと書いてあります。

これは、あとからワイヤーを張った時に、若干引っ張り気味に張った時に、どうしても調整した位置から内側に入ってしまう為だと思われます。予め少し外側にしておけば、ワイヤーを張った時に、少し引っ張れてちょうど頃合いの所に来る事を考えての位置ではないかと思います。(あくまでも私の予想です)

リアディレイラーの左右の動きは、このネジを締めたり緩めたりして調整します。

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後ろから見ながら、トップは上の方のネジで調整をします。ネジを左右に回してみるとプーリーが左右に移動するのが分かると思います。この方法で、トップギアのやや右側(トップギアの外側とプーリーの頭が一直線)になるように調整します。

これでトップ側の調整は終了です。

 

3.ロー側の位置を決める

 次にロー側ですが、ワイヤーを張っていませんので、シフターをカチカチと動かしても変速できません。ディレイラーハンガーを曲げてしまわない様に注意をしながら、手でディレイラー本体をロー側へいっぱい押し込みます。

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いっぱいまで押し込んだ時に、ロ-ギアとプーリーが一直線になるように、今度は下側のネジで調整します。まずは、一回いっぱいまで押し込んでみて、ローギアとプーリーの位置関係を確認します。その後、左右にネジを少し回してみて、再度ディレイラーを奥まで押し込んで、後ろから位置を確認し、と言った作業を何度も繰り返しながら、最終的には一直線になるように調整してください。

一直線になればロー側の調整は終了です。

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4.まとめ

 トップ側とロー側の調整が終了しました。

右手でクランクを回しながら、左手でディレイラーを押し込んだり、離したりしてみてください。ディレイラースプロケットの幅の中を左右に動くだけで、スプロケットよりも内側へ入ったり、外側へ外れるような動きはしないはずです。この様に、ディレイラーの動く幅を決定してあげる事で、スパスパと変速が決まるようになりますし、チェーンが外れてホイールの破損やタイヤがロックして落車(転倒)というリスクも減ります。

変速の好不調は、今回ご紹介した調整がうまくできているかどうかが大きく影響します。乗っていて変速の調子が悪くなって来たときも、あれこれ色々な所をいじくるより、ここから調整した方が調子が良くなると思います。慣れてしまえば、ほんの十数分でできる調整ですので、めんどくさがらずにこのやり方を覚えた方が良いと思います。